2014.7.26. ハーヴィー・ペニックの最後のゴルフレッスン
The Game for Lifetime  More Lessons and Teachings  1996

著者 Harvey Penick with Bud Shrake  1904年テキサス州生まれ。地元のオースティンCCのキャディをしながらゴルフを覚え、プロになったが、天才サム・スニードが登場したために断念。以後レッスンプロとして後身の育成に当たった。弟子にベン・クレンショー、トム・カイトがいる。最初のゴルフレッスン書『リトル・レッド・ブック』(1992)は全米ベストセラーで百万部以上売れた。本書はその完結編、遺稿。95年死去

訳者 
大地舜 青学大卒。米国のオピニオン誌『新展望』東京特派員。世界最大の政治コラム配信元「グローバル・ビュー・ポイント」(ロサンゼルス・タイムス・シンジケート)東京特派員
赤山雅彦 鹿児島大卒。高校英語教員を経て、現在は英語辞書編集、実務・ノンフィクション関係記事の翻訳、英検・TOEFL等の通信講座テキスト作成に携わる

発行日           1997.7.10. 初版第1刷発行
発行所           小池書院

「バッグの中に15番目のクラブが入っていたんです。そう、ハーヴィー・ペニックという名のクラブが」――ベン・クレンショー(95年マスターズを制して)
ベン・クレンショー、トム・カイトを育て上げた名レッスンプロ、ハーヴィー・ペニックが死の直前まで書き続けた時を超える「ゴルフの教え」がここにある。まさに新しい「ゴルファーのバイブル」
最後のパットを決めた瞬間、ベン・クレンショーはこみ上げる思いを抑えきれず、両手で顔を覆い、グリーンにうずくまった。数年前のマスターズで、彼が優勝した時の感動的なシーンを覚えている人も多いことだろう。彼は「バッグには15本目のクラブが入っていた。ハーヴィー・ペニックという名前のね」と語った。
タイガー・ウッズがブッチ・ハーモンを師とするように、トッププロは皆、誰かに教えを乞う。本書の著者ハーヴィー・ペニックは、クレンショーのほかにも、トム・カイトやデービス・ラブIIIなど、錚々たるプロ達を教え、温厚な人柄とわかりやすいレッスンで皆から慕われた。
しかし本書を執筆中、肺炎に倒れ、死の床から全力を振り絞って書き続けたが、クレンショーがマスターズを制する2週間前に惜しくも亡くなった。
本書はプロだけでなく、我々アマチュアにも、飛距離を伸ばすコツや正しいアドレスの取り方などをやさしく教えてくれる。そして、ゴルフを通じて人生も考えさせてくれる。そんな素晴らしい1冊である
序文
90歳の死の床で、ぺニックはクレンショーに最後のレッスンを行った。クレンショーをゴルフ史上最高レベルのパターの使い手に押し上げた、あの滑らかなタッチを。「自分を信じよ。自分自身を信じるのだ・・・・・」
1週間後本書執筆中に肺炎で倒れた師をトム・カイトが見送る。その1週間後クレンショーが2回目のマスターズチャンピオンに輝く。その勝利はまさに神業、師の霊に導かれるようにして優勝をさらう。デービス・ラブIIIも前週のニューオーリンズの大会に勝ってマスターズの出場権を得て、70ホールまでクレンショーと首位タイ。84年のクレンショーの初優勝の時もぺニックの助言をタイトルに繋げ、多くの人々に感動を与えた
「狙いをとことん絞れ」は、彼の指導理論の根本

1.   夢追い人、現実を知る The Dreamer Sees the Real Thing
2.   よいグリップがもたらすもの What a Good Grip Can Do for You
グリップを見ただけでレベルがわかる
3.   ゴルフのレベルを維持する Keeping the Edge
1回の練習でハンディキャップゼロをキープするのは無理
4.   微動だにしないパッティング Rock Solid Putting
ツアープロが短いパットを外すときは、必ず頭が動いている。短いパットで頭や視線が動くのは、不安な気持ちがあったり注意力が不足している証拠
5.   プレッシャーをはねのける Under Pressure
自分らしくないこと、心の奥底で能力が及ばないと分かっていることは、決してしないこと。グリーン周りでプレッシャーを感じた時のための技術的なアドバイスは、とにかく正しいクラブを選択すること。グリーンにボールを確実に乗せられ、オンした後はすぐに転がっていくクラブを選ぶ。これこそが最もプレッシャーに強いショット
6.   ジョーンズの原則に1つ追加 Jones’ Rules and One More
ボビー・ジョーンズによれば、ゴルフにおける最大の敵は「緊張」である。そこで彼は、リラックスしてスイングするための6か条を示した
   クラブは緩く、特に指の力で握るようにして、ヘッドの動きが手に伝わるようにする
   アドレスではできるだけ自然で、楽な姿勢を取るように心がける
   バックスイングを始動する時は両脚と腰を使い、クラブは手と腕で持ち上げるのではなく、後ろに大きく振るようにする
   ダウンスイングからインパクトまでの間に十分加速できるように、バックスイングを大きく取る
   ダウンスイングは急がず慌てず、ゆったりと始め、自然に任せてスムーズに加速する
   インパクトでボールを焦って叩いてはいけない。ボールがフェアウェイにうまく飛び出していくまで、スイングの軌道を守り続ける。そうすれば、クラブヘッドが勝手に仕事をしてくれる
アベレージゴルファー用の原則を1つ追加しよう。「飛球線に対して、両肩をスクエアにせよ」
7.   ジミーのグリップは正しかったのか? Jimmy Would Have Changed His Grip
友人としてまた同僚として長年付き合いがあるジミー・デマレットは、マスターズチャンピオンになり、世界中でその名を知られていた時期に、自分のグリップは正しくないと結論付けた。デマレットは、キャディをしていた若い時分から生涯を閉じるまで、バードングリップ(オーバーラッピンググリップ)だったが、自分を含め大半のゴルファーにとって基本的に問題があると考えた
ハリー・バードンの手は大きく、強くて速い。彼のグリップは手をコンパクトに動かし、シャフトから指を1つ外すことによりスイング中に右手の力が左手を圧倒することが無いように考えられていた。手を正しく使うことでバードンはパワーアップし、クラブコントロールもよくなった
デマレットは、パワーのないアベレージゴルファーは「テンフィンガーグリップ」にすべきという。8本の指と2本の親指でグリップするので、俗にいうベースボールグリップのように10本の指をしっかり巻き付けるグリップとは違う
両手をできるだけ近づけて握るべきで、右手小指はクラブの柄の部分に掛けるようにして、ボールを強打するときに援助させる
トッププロにもテンフィンガーグリップ派がいて、ボールの後ろに、そしてインサイドに身体が残るようになり、ヒッティングでリリースが自由に、しかも十分に出来るようになったという

グリップに指をもう1本添えることで、クラブヘッドがボールを捉える際の力がさらに増すことについては疑念の余地がない

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