セブン&アイHLDGS.  朝永久見雄  2013.12.2.

2013.12.2. セブン&アイHLDGS. 
9兆円企業の秘密 世界最強オムニチャネルへの挑戦

著者 朝永久見雄 東京三菱証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、ドイツ証券、JPモルガン証券、シティグループ証券在籍中の200112年日本経済新聞のアナリスト・ランキング小売部門で12年連続のトップ。百貨店、コンビニ、スーパーでの現場研修を受けるなど、長年にわたり国内小売りセクターを代表するアナリストとして高い評価を受ける。青学大卒後、中央信託に11年勤務、ファンドマネージャーとして株式、債券の運用にも従事。日本経済新聞のアナリスト・ランキング専門店・小売りで3位の廣田千晶と共同でコンサルティング会社Hidden Gemsを設立、共同代表パートナーに就任

発行日           2013.9.2. 11
発行所           日本経済新聞出版社

はじめに
セブン&アイHLDGS.は、世界的にも前例のない幾つかの新たな挑戦を始め、最終形では日本の消費者シェアを根こそぎ獲得している可能性がある
本書の価値は以下の3
   セブン&アイHLDGS.というグループ全体の複合的価値を分析した初の書籍
   オムニ(全て)の環境で繋ぎ目無く買い物をするようになるオムニチャネルの時代の到来が予測され、そこで世界最強になる潜在力を占めるセブン&アイHLDGS.の戦略を分析
   自らの12年のアナリストとしての分析手法の公開
我々の生活スタイルを変えた3種の神器は、携帯電話、宅配便、コンビニ
会社設立6年で株式上場という当時の最短記録を更新、上場廃止までの30年弱のすべての期間の決算において、増収・増益・増配を続けた世界唯一の企業
ドラッカー、「セブン-イレブンというフランチャイズ・ビジネスを通じ、小売業の主流から落ちこぼれるはずだった個人商店に、商売の主流に乗る方法を提示したのは、偉大な社会革命」

第1章        オムニチャネル挑戦への序章――小売業勝ち負けのルールを根底から変えるコンドラチェフ波動
景気循環の周期 ⇒ チキンの波(在庫循環:40か月)、ジューグラーの波(設備投資循環:10)、クズネッツの波(建築循環:20)、コンドラチェフの波(技術革新:50)
小売業にとっての技術革新 ⇒ 立地や売り方そのものの変化であり、今後はEC(エレクトロニクス/コンピューター?)という新たなインフラへの転換
メトカーフの法則 ⇒ 通信網の価値は利用者数の二乗に比例
ライリーの小売り引力の法則 ⇒ 小売りの吸引力は、2つの都市の人口(売り場面積)に比例し、距離の二乗に反比例する
コンビニのリアル拠点はまだまだ密集させる必要がある ⇒ すべての小売業の形態の中で最もオムニチャンネル化によりそのネットワークバリューが創出されるサブセクター
現在では、リアルとネットの親和性は非常に高く、オンラインとオフラインが相互補完関係にあるのは明らか ⇒ セブン-イレブンにATMを持ち込んだのも、店舗の売り上げ促進への起爆剤としての効用を考えてのこと

第2章        セブン&アイHLDGS.の目指すもの――コミュニティインフラをイノベーションし日本を再成長社会へ導く
コンビニが生活スタイルを一変させ、災害時に必要な社会インフラにまで発展させた
新たな価値創造への動き ⇒ 少子高齢化の日本の社会構造を再成長社会とするためのコミュニティインフラのイノベーション
セブン-イレブンの強味は、現場のパートの人まで仮説・検証・単品管理をやることにある ⇒ そのプロセスを1つの相似形(フラクタル)の型として、あらゆるレベルでそれが共有されている。その方法を普及しているのがOFC(Operation Field Counselor=店舗経営相談員)
ライリーの法則によれば、小売り業の競争力は距離の二乗に反比例するが、自転車の場合は三乗になり、坂道のある徒歩の場合は四乗になる ⇒ コンビニの出店の密集度の目安となり、セブン-イレブンこそ世界で最も消費者との距離が近い小売業と言える
PB(プライベートブランド)セブンプレミアム ⇒ 2007年誕生。グループ共通の独自開発商品。価格政策のためではなく、高品質の提供が目的。当初は食品49品目。メーカーと小売業の関係をWin-Winにする流通構造のイノベーションになり得る
オムニチャネル化とセブン-イレブンの大量出店、セブンプレミアムこそセブン&アイHLDGS.3大戦略
ノーマライゼーションへの取り組み ⇒ 障碍者雇用や接客、店作りに工夫
CSRはオムニチャネル時代の差別化のキーワード ⇒ CSRの差が商品選択の格差となり、CSRが出来ていないと入口の段階で選択肢から外されてしまう

第3章        セブン銀行――お客様の立場に立ったら銀行まで作ってしまった
01年、  アイワイバンク銀行の全く新しい仕組み、考え方によるATMサービス開始
決済専門銀行という新しい分野を確立 ⇒ 生活インフラそのもの
ATMの収益だけで経営が成り立たないという批判を跳ね返し、2.5年で黒字化
ライリーの法則を地で行く形で、距離の優位性が発揮され、さらに時間節約の効果が貢献
87年、東電からセブン-イレブンに公共料金の収納代行の依頼 ⇒ 東電が請求書にバーコードを印刷することによりコンビニ店頭での扱いが可能に
ATMもその延長線上にあり、常に顧客ニーズ・ランキングの上位 ⇒  銀行との間で検討開始、設置店舗、手数料、銀行免許がネックとなり、01年独自の銀行免許取得
当初の提携先は三和だけだったが、銀行以外の生保、消費者金融も含め拡大、全店設置へと方針を切り替えたことも短期黒字化の要因
入金サービスの開始と、店舗売上金の流用で現金補充を最小化
海外送金と個人ローンのサービスを追加
米国の大手ATM運営専門会社を買収、ローコスト経営のノウハウを吸収

第4章        ロフト――店頭の楽しさを単品管理する驚異の小売業
65万のアイテムを編集。多品種、低単価、高回転、多客数
87年、西武がロフト館として第1号店開業、96年西武から独立。06年西武のセブン&アイHLDGS.傘下入りを契機にロフト株を買い戻して子会社化
生活必需品ではなく、あれば楽しい、あったらいいな、あったら嬉しいなど生活を色付けする商品、ロフトの店頭で得た情報を活用したオリジナル商品の開発

第5章        赤ちゃん本舗――96%、驚異の市場認知率。オムニチャネルの入口として、重要な存在
年間の新規会員登録数/出生数≒43
1932年赤ちゃんの衣料の現金問屋・小原正商店として創業、07年グループ入り
顧客ニーズにあったオリジナル商品の存在が差別化の大きなポイント
「妊娠・出産・子育て」をすべて網羅する、唯一無二の存在を目指す
インフラのないままチェーン展開していた旧体制から、グループ入りして単品管理を徹底、化粧品やゴルフバッグまで扱っていた商品の絞り込みを実施
スマホ世代の代表格である若いママたちがオムニチャネルの入口になる

第6章        セブンネットショッピング――ホールディングスを一気通貫で繋ぐ新たなプラットフォーム
セブンネットショッピングを新たなプラットフォームとして各事業会社が一気通貫で繋がることによって、世界に類を見ない小売りグループへと成長することができる
ネット経由の家計支出が、今年に入って利用世帯の比率は22.9%に増加したが、家計に占める支出比率ではまだ2%未満
99年、ソフトバンク、ヤフー他との合弁で設立したイー・ショッピング・ブックスが前身、06年セブン&アイHLDGS.のグループ入り
富士通のシステムエンジニアがソフトバンク時代に考えた事業 ⇒ 電話発注をオンライン発注に変え、コンビニで受け取る
顧客の利便性や行動を第一に、リアルとネットを如何に最適に融合していくかがキー
マルチチャネルをクロスチャネルに進化させ、さらにオムニへと高める ⇒ 顧客情報の一元管理によって顧客ニーズをグループ内で充足させる
オムニチャネル化の最初の成功例は、米国百貨店メーシーズ ⇒ 店舗の品揃え、サービスや接客を強化、店舗を磨き上げるとともに、IT化を進め、ネットやモバイルを活用し、顧客が好む方法で自由にショッピングを楽しめるよう、顧客満足の最大化を目指す
セブン&アイHLDGS.の優位性 ⇒ 利便性を高めるコンビニ店舗網、配送体制、品揃え
12年、グループ企業のネット事業を一本化 ⇒ 事業会社ごとに保有する会員の完全統合を目指す
オムニチャネル戦略成功のカギは、如何に近いリアルの拠点を持つか ⇒ リアルの「心配り」+ネットの「利便性」=最強のサービス

第7章        ヨークベニマル――小売圏で繰り返しご来店いただいている地域のお客様の日常の食卓をより楽しく、豊かに、便利にする、日本一のスーパーマーケット
47年、郡山に紅丸商店として創業、東北・北関東に184店舗を保有する日本一の食品スーパー、06年グループ入り
規模は中堅だが、収益率等ほとんどの指標で業界トップ
惣菜部門を別会社化して、71年からイトーヨーカドー店舗にも出店、同業他社との差別化になっている
グループ入り直後に東北大震災に遭遇、物心両面での迅速できめ細やかなサポートに救われる

第8章        セブン-イレブン・ジャパン――どんな小さな変化も見逃さず自ら変化し続ける世界最高のイノベーション集団
74年、第1号店を豊洲に出店 ⇒ 江東区の酒屋が第1号のオーナーに
1店舗当たりの営業利益は他社比倍の12百万円/年 ⇒ 販売管理費の低さが本質的要因であり、利益分配率(34%で、ローソンの1.5)の格差が競争力の源泉
72年からサウスランド社と交渉、事業は合弁ではなく独自で、出店地域は日本全国、8年間で1200店出店、ロイヤルティ率は売上の0.6%という条件でヨークセブンを設立
82年、日本初のPOSシステムの導入により単品管理を徹底したのが飛躍の端緒 ⇒ 仮説・検証の繰り返し
高密度多店舗出店のドミナント戦略を徹底
小口配送、正月営業、共同配送という現在の常識も、セブン-イレブンが開発

第9章        7-Eleven, Inc. ――基本の徹底により米国企業の再生に成功
1990年、サウスランドからハワイの58店舗を買収した後、スーパーのニッチとして発展してきたコンビニがチャプター11申請、イトーヨーカ堂に財政再建支援の要請 ⇒ 430百万ドルで70%の株式取得、日本のセブン-イレブンのビジネスモデルを参考にして米国本社を再建。単品管理を徹底した後POSシステムを導入し、店舗拡大へと進む
13.6.現在セブン&アイHLDGS.の連結対象の店舗が24,405、エリアライセンシーの店舗が13か国で26,539、計50,944店が世界に展開

第10章     イトーヨーカ堂――新しいGMSの再定義へ
1920年、雅俊の叔父が浅草に開いた洋品店「めうがや(後に羊華堂)」が前身、戦後北千住で2坪の店舗から再出発
GMSの衰退 ⇒ レガシーコスト(過去のしがらみによって生じる負債、負の遺産)の大小がポイントで、デフレに転じたことから競争のルールが強制的に変更され、殆どの小売業のサブセクターに於いてトップ企業が交代
小売業態の進展を説明する際の理論仮説に「小売の輪」がある ⇒ 価格競争によって既存業者を駆逐した後価格が上昇するが、また新規業者の価格競争参入により同じことを繰り返すが、その繰り返しの中で小売業の革新が進む
GMS大手5社のうち残ったのはイトーヨーカ堂とイオンのみ。イトーヨーカ堂にしても営業利益は低落の一途を辿るが、しまむらは成長し続ける
ネットスーパーは、GMS業態自体の存在価値を引き上げるものであると同時に、オムニチャネル化においても重要な役割を担う ⇒ 店の商品を店から発送

第11章     セブン&アイ・フードシステムズ――今後の成長が最も期待できるセグメントの1
07年、デニーズ、ファミール、ヨーク物産が統合して設立。ファミールがイトーヨーカ堂店舗内のレストランとして出店したのが72年、デニーズと提携した1号店はセブン-イレブンの1号店の1か月前。デニーズは82年上場、ナタ・デ・ココやティラミス、パンナコッタなどのヒット商品を出すが、00年代半ばから業績が急降下、基本に立ち返って回復

第12章     そごう・西武――百貨店は差別化商品の開発で成長余地が大きい
ブランド価値が残っている間に付加価値のある差別化商品を独自に作ることが必要
価格決定権と商品コントロール権を復権すること
1830年創業のそごうは、00年民事再生法申請、西武との業務提携で復活、03年には経営統合によりミレニアムリテイリングとなる
1940年、西武鉄道の前身・武蔵野鉄道が池袋に開店した「武蔵野デパート」が49年に西武百貨店と名称変更。03年私的整理ガイドラインの適用を受け、05年再建計画を終了しミレニアムの傘下に。ミレニアムは野村プリンシパル・ファイナンスの傘下に入り、06年セブン&アイHLDGS.が野村の全株式を買収、完全子会社化する
百貨店は、いまなお多くの消費者にとって数ある小売業態の中で特別な存在であり、成長余力は大きい

最終章
鈴木敏文の凄さ ⇒ 日本の流通構造を根底から覆した
ネット環境が整備されるほどリアルのチャンスが高まる ⇒ ネットではない価値の重要性が高まり、顧客とFace to Faceで接触するリアルの現場があるからこそ顧客ニーズを的確にとらえたヒット商品も開発できる
オムニとなれば、さらにシナジー効果は高まる



セブン&アイHLDGS. 9兆円企業の秘密 朝永久見雄著 ビジネス書ランキング9 
日本経済新聞  2013/9/29
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ビジネス書ランキング(9月15日~21日)
(1))トヨタの育て方
(株)OJTソリューションズ著(中経出版)
(2)(3)稼ぐ力
大前研一著(小学館)
(3)(4)世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?
戸塚隆将著(朝日新聞出版)
(4))リーダーの基本
横山信治著(かんき出版)
(4)(6)燃える闘魂
稲盛和夫著(毎日新聞社)
(6)(5)稲盛和夫 最後の闘い
大西康之著(日本経済新聞出版社)
(7)10)伝え方が9割
佐々木圭一著(ダイヤモンド社)
(8)(8)TEDトーク 世界最高のプレゼン術
ジェレミー・ドノバン著(新潮社) 
(9))セブン&アイHLDGS. 9兆円企業の秘密
朝永久見雄著(日本経済新聞出版社)
(10)20)不格好経営
南場智子著(日本経済新聞出版社)
(東京・文教堂書店浜松町店、カッコ内数字は同書店の前週順位)
 セブン-イレブン・ジャパンなどで構成する流通グループの経営戦略をアナリストが解説する。成功の要因はプライベートブランドの開発などにみられる顧客の側に立った経営姿勢にあると指摘。消費者が実店舗やインターネットを切れ目なく利用する「オムニチャネル」の時代にはさらに成長する力があると強調する。

Wikipedia
株式会社セブン&アイ・ホールディングス: Seven & i Holdings Co., Ltd.、通称表記:セブン&アイHLDGS.)は、セブン-イレブン・ジャパンイトーヨーカ堂そごう・西武などを傘下に持つ日本の大手流通持株会社である。
「セブン&アイHLDGS.」は、同社と各事業会社を総称するグループ呼称としても用いられ、このほか、ポスター・広告などで「セブン&アイグループ」、「セブン&アイ」、2012年度にはTVCM等のサウンドロゴ提供クレジットでは、「セブンアイ」とも称することがあった。(但し、2012年度制作CMの継続放映分については、サウンドロゴの差し替えをしていない)

概要[編集]

日本最大のコンビニエンスストアチェーンセブン-イレブン・ジャパン総合スーパーイトーヨーカ堂そごう西武百貨店を運営するそごう・西武、東北地方などを中心に展開するスーパーのヨークベニマルなどを中心とする日本の企業グループである。持株会社化前はアイワイグループ (IY Group) と称した。
鳥取県高知県沖縄県には店舗展開していない。ただし、高知県はセブン-イレブンが2016年に出店を予定している。
以前はイトーヨーカ堂を中核会社とする企業グループであった。しかし、イトーヨーカ堂の業績が伸び悩み、業績を立て直す必要があった一方で、子会社のセブン-イレブン・ジャパンの業績は好調で、セブン-イレブン・ジャパンがグループの中心的な存在になっていた。そのため、セブン-イレブン・ジャパンの株価の時価総額筆頭株主たるヨーカ堂を上回る状態となり(いわゆる「親孝行会社」になった)、ヨーカ堂が買収の対象となりやすい状況にあった。
ちょうどその頃に、ライブドアによるニッポン放送買収問題が発生し、敵対的買収への防衛策について注目が集まった。そこで、ヨーカ堂が子会社の業績に頼らない経営、および敵対的買収からの防衛を目的として、持株会社制への移行を決定。200591日、イトーヨーカ堂、セブン-イレブン・ジャパン、デニーズジャパンの三社で、持株会社「セブン&アイ・ホールディングス」を株式移転により設立して経営統合を行った。この持株会社のロゴマークはセブン-イレブンのロゴを元にしている。また近年では事業の中核がイトーヨーカ堂からセブン-イレブン・ジャパンへと移りつつある。
2005年、株式上場することで敵対的M&Aの標的になることを危惧した西武百貨店の和田社長から、セブン&アイHLDGS.の鈴木社長に経営統合が持ちかけられた。鈴木は「2トップ制の対等、二人三脚の統合」を主張したが、和田の側が一歩引き、傘下入りすることで合意。
2006131日、野村プリンシパル・ファイナンス株式会社の保有する株式 (65.45%) を買い取り、株式会社ミレニアムリテイリングを子会社化。200661日には株式交換により完全子会社化。これにより、コンビニエンスストア・スーパーマーケットデパート(百貨店)という既存業態の枠を超えた日本最大で、世界でも屈指の巨大総合流通グループになった。
「新入社員といえど、世の中の他の新入社員を店頭でお迎えすべき立場にある」とのポリシーから、通常4月に行われる新入社員の入社式3月に行っている。
2012年に入ってからは、企業CMが放送されている。
また、2012年度からは「新しい今日がある」というスローガンを掲げ、呼称を「セブンアイ」または「セブンアイグループ」とした(表記は今まで通り「セブン&アイ」のままである)。

沿革[編集]

·         2005(平成17年)91 - 株式会社セブン-イレブン・ジャパン、株式会社イトーヨーカ堂、株式会社デニーズジャパンの3社が株式移転により3社の持株会社として設立。
·         2005(平成17年)92日より、日経平均株の構成銘柄として採用される。
·         2005(平成17年)1226 - そごう、西武百貨店の持ち株会社であるミレニアムリテイリングが買収防衛の為、かねてからセブン&アイHLDGS.に傘下入りを打診。ミレニアムリテイリングの株式を野村プリンシパル・ファイナンスから買収し100%子会社化することを発表し、百貨店事業に進出。このことにより、セブン&アイ・ホールディングスは流通小売業で国内一位、世界でも有数の規模となる。
·         2006(平成18年)131 - 野村プリンシパル・ファイナンスの保有する株式を買い取り、株式会社ミレニアムリテイリング(そごうと西武百貨店の親会社)を子会社化(65.45%)。
·         2006(平成18年)31 - 後述の会社分割と合併を行い、セブン&アイ発足時の法手続きによりイトーヨーカ堂に発生したセブン&アイ株を自社に移転した。また、ヨークマートセブン&アイ生活デザイン研究所を直接子会社化。
·         2006(平成18年)61 - 株式交換により株式会社ミレニアムリテイリング(そごうと西武百貨店の親会社)を完全子会社化。
·         2006(平成18年)91 - 株式交換により株式会社ヨークベニマルを完全子会社化。
·         2007(平成19年)110 - 外食事業を行うデニーズジャパンファミールヨーク物産の統合を目的として、株式会社セブン&アイ・フードシステムズを設立。
·         2007(平成19年)423 - 独自の電子マネーnanaco(ナナコ)」の発行・事業開始(ジェーシービーと共同開発中)。2006(平成18年)5月時点の計画では、セブン-イレブン・イトーヨーカ堂・デニーズの全店舗が取扱店となる見込み。
·         2007(平成19年)523 - プライベートブランド「セブンプレミアム」商品の販売開始。イトーヨーカ堂、ヨークベニマル等、傘下4社にて取扱。
·         2008(平成20年)85 - アインファーマシーズと資本業務提携しイトーヨーカドー等ショッピングセンター内にドラッグストアを出店する方針。
·         2009(平成21年)81 - 傘下の株式会社そごうが、株式会社ミレニアムリテイリングと株式会社西武百貨店を吸収合併し、株式会社そごう・西武に商号変更して、直接の完全子会社となる。
·         2009(平成21年)91 - 株式会社そごう・西武が、株式会社ロビンソン百貨店を吸収。セブン&アイ系百貨店(そごう・西武・ロビンソン)が一社に統合された。

持株会社概要[編集]

持株会社としてのセブン&アイは、株式移転により200591日に設立。純粋持株会社で、事業内容はコンビニエンスストア事業、スーパーストア事業およびレストラン事業を中核に百貨店事業、金融サービス事業およびIT/サービス業等を行う企業グループの企画、管理、運営としている。
再編前の株式会社イトーヨーカ堂がセブン-イレブン・ジャパン、デニーズジャパン両社の親会社であったため、株式移転によりセブン&アイの子会社となったヨーカ堂は、両社の株式が株式交換され、42,7509,908株という大量のセブン&アイ株の交付を受けた。
会社法第135により親会社株式の保有はできず、当該株式は相当の時期に処分が必要となるが、セブン&アイは再編にあたり、当該株式を全株消却するため、従来のヨーカ堂を中間持株会社に転換して株式保有させ、事業承継会社(新ヨーカ堂)を新たに分離した後、保有株式とともに中間持株会社をセブン&アイに吸収合併させることとした。
この枠組みにより200631日に従来のヨーカ堂は「株式会社イトーヨーカ堂SHC」と商号変更して中間持株会社に転換し、会社分割で同社から事業一切を承継する「株式会社イトーヨーカ堂」(新ヨーカ堂)を設立した。
そして、イトーヨーカ堂SHCを直ちにセブン&アイが吸収合併し、イトーヨーカ堂SHCが保有する42,7509,908株のセブン&アイ株は同社の自己株式となった。当該株式は200674日に全株(消却時点の発行済み株式の31.33%)が消却された。
·         2006228日時点での発行済み株式総数134,6383,002株、株主77,413
1.   株式会社イトーヨーカ堂 42,7509,908
2.   伊藤興業有限会社 6,6954,000
(子会社のイトーヨーカ堂が発行済み株式総数の約3分の1で、2位の株主の約6倍の株式を保有する状態になっている)
·         200674日消却後の発行済み株式総数93,7190,746
(イトーヨーカ堂SHC保有の株式が自己株式となり、200674日に全株消却されたため、その分だけ発行済み株式総数が減少)
なお、イトーヨーカ堂SHC(従来のヨーカ堂)はセブン&アイ株と新ヨーカ堂株だけでなく、ヨークマート株とセブン&アイ生活デザイン研究所株(旧IYG生活デザイン研究所)も保有し、これらの会社も同社の吸収合併によりセブン&アイの直接の子会社とした。また、それら以外の株式は、新ヨーカ堂に承継されている。

名称について[編集]

「セブン」は、以下の7つの主要な事業領域を表す。
1.   コンビニエンスストア
2.   スーパーストア
3.   レストラン
4.   スーパーマーケット
5.   百貨店
6.   金融サービス
7.   IT/サービス業
「アイ」は、innovation(革新)のi(アイ)と「愛」を表している。
これが公式に発表されているコンセプトだが、グループのロゴの「セブン」の部分はセブン-イレブンのロゴと同一であり、「セブン-イレブン&イトーヨーカ堂」の意味が含まれているのは言うまでもない。
2005年秋以降はグループ各店舗の看板が続々と「セブン&アイ」のものに替わっているが、一部の事業領域においては、この看板の掛け替えが思わぬマイナス効果を生み出してしまい、統合前の元の看板に順次戻すかそれに近いデザインに修正するというケースもある[1]
なお、同社は通常、社名表記に「セブン&アイHLDGS.」を用いる。

主要企業の比較[]

企業名
売上高
国内店舗数
セブン-イレブン
27849億円
13,103
イトーヨーカ堂(単体)
13647億円
174
そごう・西武
8,592億円
28
ヨークベニマル
3,487億円
164
ヨークマート
1,105億円
65
上記の情報は、20102月期時点での情報。

関連企業[編集]

直接の完全子会社[編集]

·         株式会社セブン-イレブン・ジャパン - セブン-イレブン - コンビニエンスストアチェーンのフランチャイザー
·         株式会社イトーヨーカ堂 - イトーヨーカドー - スーパーストア(GMS)、ザ・プライスディスカウントストア)。
·         株式会社セブン&アイ・フードシステムズ - デニーズファミール - ファミリーレストラン ポッポ - ファストフード、イトーヨーカドーの従業員食堂、学生食堂。
·         株式会社そごう・西武 - 百貨店そごう西武百貨店ロビンソン百貨店を運営。
·         株式会社ヨークベニマル(株式交換により200691日に完全子会社化) - 福島県中心のスーパーマーケット(旧紅丸商事)。1973年から提携。
·         株式会社ヨークマート20063月の合併で直接の完全子会社に) - 首都圏の食品スーパーマーケット
·         株式会社セブン&アイ生活デザイン研究所(20063月の合併で直接の完全子会社に) - 商品開発(旧株式会社IYG生活デザイン研究所)。
·         株式会社セブン・フィナンシャルサービス - グループのノンバンク事業の中間持株会社。傘下には、株式会社セブン・カードサービス(クレジットカード事業および電子マネー事業)、株式会社セブンCSカードサービス(クレジットカード事業)、株式会社ヨークインシュアランス保険代理店事業)がある。また、出資先としてライフネット生命保険株式会社がある。
·         株式会社セブン&アイ・ネットメディア2008711日設立) - グループのインターネット通信販売事業の中間持株会社。傘下には、株式会社セブンドリーム・ドットコム(セブン-イレブンネット運営他)・株式会社セブンネットショッピングがある。

その他のグループ企業[編集]

そごう・西武系小売業[編集]

·         株式会社シェルガーデン(そごう・西武100% - 高級食品スーパーマーケット「ザ・ガーデン自由が丘」。20061月からグループ入り。
·         株式会社ロフト (LOFT)(株主はそごう・西武ほか4社) - 文具・雑貨専門店。20061月からグループ入り。

IYグループ系小売業[編集]

·         株式会社ロビンソン百貨店 - 百貨店(札幌、春日部、小田原) 札幌店を閉鎖後、20099月にそごう・西武が吸収。
·         株式会社オッシュマンズ・ジャパン(イトーヨーカ堂 100% - 総合スポーツ用品専門店「OSHMAN'S」(原宿、新宿など)
·         株式会社メリーアン - 首都圏中心の婦人服専門店
·         株式会社サンエー - 宮城県スーパーマーケット沖縄県サンエーとは無関係)。1982年から業務提携。
·         株式会社スーパーカドヤ(ヨークベニマル100% - 茨城県のスーパーマーケット「カドヤ」。20059月に株式交換でヨークベニマルの子会社に。20079月、ヨークベニマルに吸収、カドヤ事業部となっている(店舗名などは変更せず)。
·         株式会社丸大 - イトーヨーカドー丸大 - 新潟県ゼネラルマーチャンダイズストア (GMS)1977年から業務提携。
·         株式会社セブンネットショッピング(セブン-イレブン・ジャパン 50% - ソフトバンクグループ・ヤフー等との共同事業が母体。現在はヤフー以外での販路を見出している。
·         株式会社セブンドリーム・ドットコム(セブン-イレブン・ジャパン 68% - インターネット通信販売などEC分野
·         セブンアンドワイ株式会社(セブン-イレブン・ジャパン 50.8% - インターネット書籍・CDDVD通信販売。ヤフーと提携。
·         株式会社セブン・ミールサービス - 配食サービス
·         ザ・プライス (株式会社イトーヨーカ堂(旧法人)が出店)- かつて存在したイトーヨーカ堂のディスカウントストア(赤羽、溝ノ口、長岡、琴似)

その他サービス業など[編集]

·         株式会社セブン銀行(セブン-イレブン・ジャパン 24.89%、イトーヨーカ堂 16.14%三菱東京UFJ銀行 4.92% - 銀行業 アイワイバンク銀行から20051011日に社名変更。2008229日に株式会社ジャスダック証券取引所に上場。
·         株式会社セブン&アイ出版(イトーヨーカ堂とセブン-イレブン・ジャパン) - 出版業saita発行元)。芝パーク出版から2005121日に社名変更。
·         株式会社モール・エスシー開発(イトーヨーカ堂 60%三井物産 40% - デベロッパー。イトーヨーカ堂をキーテナントにした大型ショッピングモールArio」の開発・運営。
·         財団法人伊藤謝恩育英財団 - 奨学金給付
·         株式会社赤ちゃん本舗(イトーヨーカ堂 62.12% - 大阪本社のベビー用品等のチェーン店。20077月グループ入り。
·         ぴあ株式会社(20%出資持分法適用会社 - チケット販売等。2009121日に資本提携し、持分法適用会社化。
·         タワーレコード株式会社(21.58%出資) - CDDVD販売等。201032日に資本参加を発表し、NTTドコに次ぐ第2位の株主となる。
·         株式会社アインファーマシーズ7.09%出資、資本業務提携) - 調剤薬局ドラッグストアの経営。
·         株式会社近商ストア30%出資持分法適用会社、近畿日本鉄道 50.7%近鉄百貨店 19.3% - 20119月に資本・業務提携を結ぶ。近鉄グループに属するスーパーマーケット。

かつてのグループ企業[編集]

·         ダイクマディスカウントストア - かつてはダイクマもIYグループのグループ企業だったが、経営不振に伴い2002年にヤマダ電機に売却された。
·         マツヤ - 長野県の食品スーパーマーケット、当時の社名は「ヨークマツヤ」。1988年に業務提携を解消。

CM[編集]

CM2012年現在、セブン-イレブンが全国展開していることから全国ネット番組のナショナルスポンサーに付く回数が多くなっている。殆どの番組では提供クレジットを表記しないPT扱いとなっているが、提供クレジットを表記する番組も一部存在する。全国番組向けのCMは、概ねセブン-イレブンの企業イメージ(食卓編)を放送している。
20136月から、CM冒頭に「セブン&アイ・ホールディングス」のサウンドロゴが入るようになり、提供クレジットも「セブン&アイ」から「セブン&アイ HLDGS.」に変更された。

出演者[編集]

現在[編集]

·         関根勤:イトーヨーカ堂(衣料品部門を除いた総合的キャラクターで、全店での「名誉店長」。藤本・芦田・SUPERGiRLSとも共演)
·         藤本美貴:イトーヨーカ堂(2011年〜、「お寿司サービス編」「餅道編」のCMで関根と共演。)
·         芦田愛菜:イトーヨーカ堂(ランドセルのCMでは、鈴木福と共演。)
·         鈴木福:イトーヨーカ堂(ランドセルのCMでは、芦田と共演。関根・古坂大魔王との共演もある。)
·         古坂大魔王:イトーヨーカ堂(201212月〜、関根・鈴木福と共演。)
·         AAA:イトーヨーカ堂(主に衣料品部門を担当)
·         SUPERGiRLS:イトーヨーカ堂 (関根に並ぶ総合的キャラクター。衣料品部門も担当。)
·         板野友美:イトーヨーカ堂「水着編」「浴衣編」「ハグ編」(左記までは過去)「レイングッズ編」「ボディクーラー編」
·         Dream5:イトーヨーカ堂「Dancingood day
·         SMAP:セブン&アイ「2012年夏ギフト」「2012年冬ギフト」
·         稲森いずみ:イトーヨーカ堂「GALLORIA」(婦人衣料品)
·         三姉妹(愛菜・亜美・ことり):イトーヨーカ堂(20124月〜、芦田愛菜・前島亜美SUPERGiRLS)・重本ことりDream5)の3人が、関根一家の三姉妹として共演、CMソングも歌う。)
·         香取慎吾SMAP)・藤ヶ谷太輔Kis-My-Ft2)・玉森裕太Kis-My-Ft2):イトーヨーカ堂「ボディヒーター」
·         益若つばさ:イトーヨーカ堂
·         蛯原友里:イトーヨーカ堂「ボディークーラー」
·         江角マキコ:セブン-イレブン「セブンプレミアム」(温めるだけで出来る洋食)
·         竹下景子:セブン-イレブン「セブンプレミアム」(かんたん調理で出来る中華)

過去[編集]

·         倖田來未:セブンネットショッピング
·         AKB48:セブン-イレブン「セブン-イレブンフェア」(クリスマス)
·         渡り廊下走り隊7:セブン&アイHD「新・バレンタイン宣言」「ありがとうを声に出そう。5.8母の日キャンペーン」
·         東方神起:セブンCSカードサービス「ミレニアム/クラブ・オンカードセゾン」・セブン-イレブン「セブン-イレブンフェア」(少女時代と共演)
·         関ジャニ:セブン-イレブン「セブン-イレブンフェア」〜


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