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官僚制としての日本陸軍  北岡伸一  2013.5.22.

2013.5.22.官僚制としての日本陸軍
著者 北岡伸一 後記参照
発行日           2012.9.10. 初版第1刷発行 発行所筑摩書房
初出一覧 序章書き下ろし 第1章政治と軍事の病理学――近代日本軍事史再考(『アスティオン』1991年夏) コラム 幻の軍団制(『日本の歴史 23 大正デモクラシー』) 第2章支那課官僚の役割――政軍関係の再検討のために(日本政治学会『年報』1990年) 補論 「満州事変」とは何だったのか(1994年) 第3章陸軍派閥対立(1931~35)の再検討――対外・国防政策を中心として(近代日本研究会編『年報』1979年) 第4章書き下ろし
序章―予備的考察 近代日本における政軍関係の特質を様々な角度から明らかにしようとする 主たる対象は、日露戦争以後。明治国家において確立された政軍関係の解体過程 近代陸軍の建設 ⇒ マックス・ヴェーバーの言う「近代国家の本質は暴力の正統的独占」 1870年 徴兵規則制定 ⇒ 山縣有朋の構想に基づき、83年に徴兵令公布、初めて政府直属の軍隊が発足 1878年 竹橋事件 ⇒ 近兵部隊が待遇を不満として反乱、以降軍人による政治関与を戒める。88年には自由民権運動からも切り離し 1882年 軍人勅諭 ⇒ 山縣が西周に作らせたもの。天皇の統帥権を明示するとともに、政治への不関与を命じた 近代陸軍建設のメルクマールは、参謀本部と軍令制度 1888年 鎮台制の廃止と参謀本部設置 ⇒ 鎮台より移動性の高い師団制度に転換、師団を率いるのものとして考えられたのが桂太郎のイニシアティブによる作戦計画を司る参謀本部 1907年 軍令第1号 ⇒ 総理大臣の同意なしに陸海軍大臣の副署だけで成立する他の国務と別の法体系を軍内部に成立させ、これに基づき帝国国防方針が裁可、50個師団の目標が定められた 帝国憲法に内在する問題 (1)天皇の地位と権限 ⇒ 輔弼者の間に矛盾があった場合の調整役として元老が機能 (2)国際関係 ⇒ 欧米列強に劣後しながら、右からの原理的反対派がいた 元老が衰えた後、政治統合の役割を担ったのは政党だが、天皇の親政下にある軍隊の軍備拡張路線との確執が、1931年以降政治システムそのものを崩壊させた 明治憲法下では、制度的な統合が予定されておらず、インフォーマルな力(派閥)に依存 ⇒ 山縣を中心とする長州閥がその役割を果たす。派閥は邪な結合であり、概…