ナショナル・ジオグラフィックが見た 日本の100年  2013.4.5.


2013.4.5. ナショナル・ジオグラフィックが見た 日本の100

編者 ナショナル・ジオグラフィック
ナショナル ジオグラフィック協会は、米国ワシントンDCに本部を置く世界有数の非営利の科学・教育団体。1888年に「地理知識の普及と振興」を目指して設立されて以来、9000件以上の研究調査・探検プロジェクトを支援し、「地球」の姿を世界の人々に紹介


発行日           2012.12.17. 第11
発行所           日経ナショナル ジオグラフィック

2003年発行の書籍『アーカイブ ブックス ナショナル・ジオグラフィックが見た 日本の100年』を加筆・再編集、改題したもの

時代を切り取った写真に日本へのまなざしを見る
ナショナル・ジオグラフィックは、創刊からわずか6年後の1894年明治三陸大津波を写真とともに伝えた。以来120年に渡り、ジャーナリスト、米大統領、外交官、研究者など幅広い識者が、折々に日本の姿を取り上げ続ける
ナショジオは日本の何に注目してきたのか
自然と共生する人々、漁業国としての強さの秘密、関東大震災からの復興。戦争への道と戦後の驚異的な成長。バブル経済の発生と崩壊
彼等の関心は、日本の強靭な力、活力の源泉を探る試みにも見える
先行き不透明はいま、本書の写真や記事に私たちが進むべき道のヒントがきっとある

Ø  1899年以前
189412月号 明治新国家の指導者 ⇒ 初めて同誌に日本に関する記事が掲載。お雇い外国人による日本の最新事情の紹介。廃藩置県、徴兵制、政府の機構改革、教育改革、公共事業等が取り上げられた
18969月号 三陸大津波(6.15.)の惨状を伝える
189812月号 日本の発展・成功を確信 ⇒ 教育こそが進歩と繁栄の基盤であるという偉大な真理が日本で認められる点は興味深い
18999月号 日本の輸出に警戒の目 ⇒ 最大の輸出品目は生糸

Ø  1900年代
19012月号 日本と中国を比較する ⇒ 日本人は歴史的に見て最も進歩的な国民、特に際立つのは先祖伝来の自発性。いかなる外部からの圧力も先の政治体制の大変革(明治維新)には効果を持たなかった
19045月号 日本に学ぶ和紙と竹 ⇒ 米農務省は03年に日本の農業事情調査のためのチームを派遣。ミツマタや竹の対米移入を図る
19053月号 『日本人の特性』は、金子堅太郎の講演録であり、日本人初の寄稿 ⇒ 西洋と東洋の文明を一体化して、調和のうちに新たな文明を創造し、人類の進歩に貢献したい
19055月号 日本の漁業 ⇒ 漁獲量は米国の3
190710月号 高野山
19084月号 日光、その美しさの秘密 ⇒ 日本一美しい場所として紹介

Ø  1910年代
191111月号 シンプルライフが日本の原点 ⇒ 四季を通じて花を愛でる心を忘れない。英語版に日本の記事が初めてカラー化
19147月号 貧しくても幸せな子供たち

Ø  1920年代
192010月号 日本の新聞の制作現場 ⇒ 新聞の発展ぶりに注目。82年の「時事新報」が嚆矢
19217月号 日本の地理 ⇒ 自然環境が日本人の精神構造を形作る
19218月号 害虫から米国を守れ ⇒ 日本から輸入する植物についてくる害虫の駆除が問題に
19229月号 日本の農村生活 ⇒ 地方の農村を訪れないことには日本人の暮らしは理解できない。この国の本当の力も特質も、知的で友好的な農村を訪れて初めて分かる
192310月 陽出ずる帝国、日本 ⇒ わずか50年の間に大国と肩を並べ、世界の工業や貿易をリードするようになったのはなぜか
19244月号 桜島の噴火と関東大震災 ⇒ 桜島の噴火は1914年、鹿児島港は砂浜のようになり、桜島と大隅半島が陸続きとなった
192410月号 米国での金魚養殖 ⇒ 元々は中国産、養殖技術で日本がリード

Ø  1930年代
19305月号 タフト大統領の訪日記 ⇒ 明治天皇に拝謁して偉大な人物と感銘を受ける。日本は私たちが考える以上に大衆政治の国。豊かとはいえない日本は対米貿易を重視せざるを得ない。日米戦争があるとすれば、米国が日本人を不当に扱った時だろう
19306月号 ツェッペリン号、日本を飛ぶ 
19322月号 関東大震災から復興した東京 ⇒ 303月復興記念式典挙行
19333月号 長い歴史を持つ若い国 ⇒ 日本人は変化を受け入れる一方で、自然や地理的条件がもたらす困難に毅然と立ち向かう、活発で優しい人々
19333月号 ドライブ旅行は苦労が多い ⇒ 日本全体で16万台に
19364月号 日本全国の貧乏旅行記
19381月号 広がる日本女性のパワー ⇒ エアガールCAが登場したのは31年。機械操作に熟達した技術が求められる職場と政府機関の専門職以外は、あらゆるところで女性が楽しげにきつい労働をこなしていた

Ø  1940年代
19426月号 太平洋の要衝、ミクロネシア ⇒ マーシャル諸島とパラオが中心で、日本の委任統治領
19428月号 知られざる日本 ⇒ 日本人の強味の1つは人命軽視
194211月号 満州でソ連に対峙する日本
19444月号 日本と太平洋 ⇒ 日本人の精神構造や論理を理解するのは、欧米人には難しい
19454月号 サイパン島から南へ ⇒ テニアン島を含むマリアナ諸島は数か月前まで日本の本土防衛の防波堤だった
19455月号 平和な時代の沖縄を歩く ⇒ 琉球諸島はペリー来航の折拠点としたところで、占領しようとしたが、1879年に沖縄県として日本に編入
194510月号 日本の玄関口、沖縄
194511月号 「近代国家」日本の仮面の下
194512月号 素顔の日本
19462月号 平和に貢献する空軍力
19466月号 古い太陽が沈む日本
19474月号 占領下の日本の地方生活 ⇒ 46年から9年かけて天皇が沖縄を除く日本全国を巡幸

Ø  1950年代
19505月号 戦後日本の改革プラン

Ø  1960年代
196012月号 日本、優美なる謎 ⇒ 東京への一極集中を排除するために、都知事の東龍太郎が首都圏構想を計画中
196410月号 爆発する都市、東京

Ø  1970年代
19703月号 関西の活力と心意気 ⇒ アジア初の万国博覧会

Ø  1980年代
19846月号 維新の精神を生んだ萩
198611月号 東京、その成功の横顔
19877月号 大豆 ⇒ 豆腐は世界人口の1/4を擁する中国の食を支えてきた東洋で最も重要な大豆製品

Ø  1990年代
19904月号 日本女性たちの本音 ⇒ 日本の女性にとって、結婚は社会に受け入れられる唯一の生き方。見合いが主流
199111月号 円高ニッポンのアジア進出
19941月号 日本の南の玄関口、九州
19949月号 日本海側のスローライフ
19957月号 復興・神戸の槌音
199610月号 千島・北方四島の暮らし
19976月号 基地論争に揺れる沖縄
19994月号 ミッドウェー 激戦の海へ ⇒ 42.6.4.日米の旧軍人が一緒になって海戦で沈んだ空母ヨークタウンを探す航海に出る

Ø  2000年以降
20011月号 皇居に息づく伝統と現代性
20014月号 捕鯨国が追うミンククジラ
20028月号 富士山の聖と俗
200210月号 東京湾 破壊と創造
20031月号 冬の野生動物 ⇒ タンチョウ
200312月号 生き続けるサムライの精神
20082月 芭蕉の足跡を追って
201011月 日本縦断、3つの海と魚たち ⇒ 大小合わせて6000以上の島々が、3000㎞にわたって細長く延びる日本。その海には少なくとも3種類の生態系が息づいている。北の寒冷な知床半島沖では流氷を浮かべた海にタラバガニやトドが姿を現す。日本列島の中ほど、富山湾や伊豆半島といった温暖な海域ではホタルイカの群れやソフトコーラル(軟質サンゴ)の森が豊かに育つ。さらに東京都心から1000㎞南へ下った小笠原諸島では繊細なチョウチョウウオの一種ユウゼンや大型のサメ「シロワニ」がサンゴ礁で睦まじく暮らしている。そんな多様な海洋生物を育む源流となっているのが海流。-1℃~+30℃まで変化に富んだ海域をもたらすと同時に2つの世界記録をもたらしてくれる。1つが温かい黒潮(日本海流)が生んだ最北端のサンゴ礁と、もう1つが冷たい東樺太海流が冬の知床半島に送り込む世界最南端の流氷
201112月号 福島原発、避難の記憶 ⇒ 福島第一原発から半径20㎞以内は警戒区域
20122月号 津波、世界のどこで起きるのか ⇒ 11.3.11.三陸町からおよそ130㎞東、太平洋の地下深くで海底が450㎞にわたって東に突然動く。ずれの大きい地点で20m以上。日本の観測史上最大となった地震。1960年のチリ地震で4mの津波が押し寄せ41人の死者が出た教訓から、5.5mの防潮堤を築いたが、今回の津波はその315.5mの高さだった



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