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渋カジが、わたしを作った  増田海治郎  2017.12.11.

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2017.12.11. 渋カジが、わたしを作った 団塊ジュニア & 渋谷発 ストリート・ファッションの歴史と変遷
著者 増田海治郎 ファッションジャーナリスト。1972年埼玉県出身。神奈川大学卒業後、出版社、繊維業界紙などを経て、2013年にフリーランスのファッションジャーナリストとして独立。「GQ JAPAN」「Men’s Precious」「LAST」「SWAG HOMMES」「毎日新聞」「Fashionsnap.com」などに定期的に寄稿している。年2回の海外メンズコレクション、東京コレクションの取材を欠かさず行っており、年間のファッションショーの取材本数は約250本。メンズとウィメンズの両方に精通しており、モード、クラシコ・イタリア、ストリート、アメカジ、古着までをカバーする守備範囲の広さは業界でも随一。仕事でもプライベートでも洋服に囲まれた毎日を送っている
発行日           2017.3.7. 第1刷発行 発行所講談社
はじめに 第2次大戦後の日本の若者ファッションの歴史は”アメリカへの憧れ”の積み重ね。戦後まもなくかつての敵国という複雑な感情を隅っこに置き去りにして、多くの若者は続々と入ってくるアメリカの文化、ファッションを夢中になって追い掛けてきた 1950年代の太陽族、60年代のみゆき族、60年代後半から70年代前半のヒッピー、70年代後半に『ポパイ』が仕掛けた西海岸ブーム、80年代中頃から90年代前半にかけて流行した渋カジ、90年代のヴィンテージ・ブーム、そして08年頃からリバイバルした東海岸トラッド、12年にリニューアルした『ポパイ』が仕掛けたシティボーイ ブリティッシュ、フレンチ、モード、国内デザイナーなどに主役を奪われた時期もあったが、時代を10年毎に区切れば、アメリカンカジュアル=アメカジをベースにしたファッションが廃れることはなかった 戦後のアメカジの歴史の中で最大規模の流行だったのが「渋カジ」 85年頃に渋谷のセンター街で自然発生的に生まれたこのストリート・ファッションは、その頃から渋谷に爆発的に増えたインポートショップ(セレクトショップ)と『ポパイ』や『ホットドッグ・プレス』などの雑誌の後押しを受けて、東京から全国に拡散 67~77年生まれが担い手だったが、その中心にいたのは71~74年生まれの団塊ジュニア世代で、その多くが男女共通の流行として…

大阪弁の犬  山上たつひこ  2017.12.10.

2017.12.10.大阪弁の犬
著者 山上たつひこ 1947年徳島県生まれ。7歳で大阪に出る。出版社(日の丸文庫66年入社)勤務を経て漫画家に。代表作『がきデカ』は社会的にも大ブームとなり、掲載誌の『少年チャンピオン』を少年誌初の200万部に押し上げた。90年漫画家から本名の山上龍彦として小説家に、03年再び山上たつひことして小説と漫画を描く。15年文化庁メディア芸術祭優秀賞受賞
発行日           2017.11.25. 初版発行 発行所フリースタイル
『がきデカ』を生んだ天才漫画家、初の自伝 過去に書いたものを集めて、現時点で自身が当時を振り返って書いたという体裁にして全体をまとめたもので

42年前に金沢で知人と会った際、こんなところに家があったらいいなとふと漏らしたのがきっかけで、すぐにいい家があったと連絡があり、これも縁かと仕事場として古民家を買い、以来正月を過ごすのが我が家の行事となった 小学校1年の頃、馬場のぼるの漫画によって世界を認知 いつの頃からか若い人の声を耳障りに感じるようになった(02年)。無遠慮、傍若無人、幼児的、ほとんど日本語の体をなさない発音、滑舌 恐ろしいのは、女店員の鼻の裏に声帯をつけたかのような声が、日本の女子高校生の一般的発声であること。現代社会の病巣を突き付けられたようで暗澹たる気分になる 声は恐ろしい。姿形以上に本質が出る。日本語の乱れと、声たちのさすらい。両者の変節は無縁ではあるまい 辰巳ヨシヒロに多大な影響を受けている。彼は手塚治虫調以外の画風でもう1つの漫画のジャンルを確立したかった。手塚治虫が著者の身中にエロスを吹き込んだ作家だとすれば、辰巳は都市風景の暗澹を教えてくれた作家 高校の終わりごろから日の丸文庫にアルバイトで出入していてそのまま就職、編集の仕事に携わる傍ら漫画を描き、自分の編集する本でデビューし漫画家になった 関西では、貸本劇画が漫画家としてのスタート 72年上京して和光市に賃借するが、大家は農家で、東京近郊の農家に共通した因業さかもしれないが下種な覗き見根性と、地方にも独特の底意地の悪さがあるが、関東の、都市に隣接した農村地帯のまったく別種の精神性というか、仮借のなさがあるように思える悪意に満ちた嫌がらせを受け、4か月で転居 転居で憑き物が落ちたように、双葉社の『マンガストーリー』に発表した『ゼンマイ仕掛けのまくわうり』の…